1月になると新番組がスタートするのは日本もアメリカも同じですね。日本ではアホくさくってTVってほとんど見ないのだが(きょうの料理&おしゃれ工房&ポチたま除く)、アメリカだとけっこう良く見るほうかもしれん。ココさんTV好きなもんでいつもついてるからね。ケーブル入ってると、チャンネル何百もあるしね。良く見るチャンネルってだいたい決まっているしお気に入り番組中心になるけど。でもって今シーズンは毎週水曜夜8時がアツイのだ。
まずはFOX TVの超人気オーディション番組、American Idol(アメリカン・アイドル)の第4シーズン。さすがにそろそろ視聴率も下がるだろうという大方の予想をぶっちぎりで裏切って、先週放送の初回は全米で65ミリオン(6500万人)が見たそうな。同時間帯の5大メジャー局の合計視聴者数を抜き去ったらしい。すげ。アメリカってホントにスケール違いますな。スケールが違うのは内容もだ。『アイドル』なんて番組名のせいで、日本のキャピキャピアイドル発掘番組を想像したら大マチガイ、マジにすごいスター候補が集結するのだ。辛口審査員の論評&最終的には視聴者の電話投票、で合否が決まるのだが、ルックス重視というよりむしろ総合的な魅力、中でも歌唱力が最優先なのがこの番組が面白い所以。毎週勝ち抜き戦が行われるのだけど、トップの8人ぐらいになると全員プロの歌手として今すぐデビューしてもおかしくないレベルで、つくづくアメリカのエンターテイメント界のレベルの高さを思い知らされる。つい最近、何億円だかかけて全米デビューしたつもりだったらしい日本の某お嬢さん歌手が大コケしたのも当然。甘いよ。だってこんなスーパー素人さん達がそこら中に埋まってる国なんだから。この番組のオーディション受けてイチから鍛え直したら?
私は第1シーズンの時は、優勝&準優勝の顔ぶれが大した事なかったので(とは言っても優勝者のケリー某嬢はあれから結構ヒット曲だしているようだ)、あまり注目してなかったのだが、続く第2シーズンが凄過ぎた。日本でも、R&Bファンの方々にはすでにお馴染みであろう、優勝した巨漢の黒人青年、ルーベン・スタダード君が実に素晴らしかった。我が家は毎回、熱狂的な『ルーベン』コールで沸き返ったのであった。相撲取りもビックリの体型の彼がなんと最後にはアメリカのアイドルに選ばれたんである。あくまで歌唱力とカリスマ性がものを言ったわけだ。準優勝となったトリガラ系(失礼)のクレイ・エイキン君との頂上対決はテレビ史上に残る見ものであったと言えるだろう。そして第3シーズンでは、19歳のシングル・マザー、ファンテイジア嬢が栄冠に輝いた。この女性、一度もヴォイス・トレーニングなど受けたこともないまったくの素人さんであったそうだが、ヤバいぐらい歌える人である。いや、まさにスター誕生とはこの事。そして第4シーズンはどうなるのか? 楽しみである。
さて、そんなアメリカン・アイドルの裏番組が"Road to the Stardom with Missy Elliot"だ。こちらはUPNという局の放送。なんとこれもオーディション番組なのである。モンスター番組のアメリカン・アイドルとのガチンコ勝負に出たとは思いきったものだ。というわけでコマーシャルの度にリモコンで行ったり来たりして両番組をチェックしなきゃならん視聴者は大忙しだ。
タイトルにもあるように、スーパースター、ミッシー・エリオットが主催するオーディションの模様をドキュメンタリータッチで描く番組で、同じオーディションものでもアメリカン…とは趣向が異なるのが面白い。候補者は最初から10何人かに絞られていて、全米を巡るバスツアーにミッシーと共に出発、巡業先でいろいろな課題を出され、毎回ひとりずつ脱落していくという形式。この修行がかなりキツイ。一人一人、かなりじっくりと試されちゃって実力が問われちゃうんである。
時には、グループに分けられて路上ゲリラライブをさせられ、どの連中が一番稼げるか?を競わされたり、またある時は廃材置き場にて、自分を表現するオブジェを制作しろと言われ…先週のエピソードできっつー!と思ったのは、ミッシーの母校で、着いた当日にいくらか練習時間を与えられ、ミッシーの代役で高校生たちの前でいきなりの生ライブ。キッズたちは耳が肥えているから、イケてないパフォーマンスには思いっきりブーイング、恥さらしもいいとこである。
そしてさらにきっついのは、毎回番組の最後、審査員たち(音楽プロデューサー、マネージメント会社の重役など)によってワースト2名が選び出され、御大ミッシー様の前に引き出されて彼女が合否の最終判断を下すのだが、そこでのミッシーが怖い。…思いっきり怖い。それはもう、ああこれが真のカリスマって言うんだな〜っていう怖さ。たぶん1キロ先からでもオーラでわかるんだろうなっていう。落伍者候補二人がミッシーの豪華ツアーバスの中で最終面接させられるんだけど、彼女が座ってこっちみて棒つきキャンディーなめながらニヤリとするだけで背筋凍ります。取り巻きのおねえさんたちもド迫力だし(ミッシーはそっち系なもんでお付きも全員女性というのがミソ)で、毎回晒し者にされる脱落組の皆さんに同情…。じつははっきり言ってこの番組、候補者のみなさんはわりと小粒揃いでけっこう冴えないのだが、彼等が修行に耐えてどう変身するのか?という点にどうも番組の主眼が置かれているようである。しかし一人、我々が目をつけているドレッド頭の白人青年(バックパッカー系でさすらってる系)がおり、この彼がかなりの才能の持ち主とみえる。どうも優勝しそうな気がするので期待。
そんなわけで毎週水曜日の夜のゴールデンタイムはすごい濃い。濃すぎて結構お腹いっぱいだよ…