本日のカリビアン料理、ご紹介はこちら。Callaloo、からるーと読む。これは野菜の名前で、そのまま料理の名前にもなっている。このカラルーを用いたスープはカリブ圏ではポピュラーな料理だが、トリニダッドではとくに、ナショナル・ディッシュとされているほどの名物料理である。カリプソ、ソカの歌詞の中にも度々出てくることから、トリニダッドの食文化のなかで特に重要な位置づけにあることは間違いない。ことわざというか言い伝えというか、現地では、もし女性が意中の男性をゲットしたければ手作りのカラルーをふるまえと言われているそうだ。そのカラルーには魔力があって、それを食べてしまったらその男性はもう彼女の手中から逃れられない、というマジカルフード(笑)なのだ。カラルーをごちそうになる時はくれぐれも気をつけろよ〜みたいな格言もあるらしい。また、多くのトリニダッド人にとっていわゆる『オフクロの味』でもあり、その意味では日本のみそ汁のような位置づけかもしれない。なかなか奥の深い料理である。伝統的には、日曜日の夜に供されるとのこと。
ブルックリンのカリビアン食料品店に行くと、大抵は店の軒先で売っている。ここで面白いのが、カラルーには2種類あって、正しい種類のものを手に入れないといけない。カリブ圏でポピュラーと書いたが、ジャマイカ料理等で使われるカラルーと、トリニダッド料理で使われるカラルーはどうやら違う植物なのである。でも名前はまったく同じなので不思議。もちろん、料理法もだいぶ違ってくる。ジャマイカのは小ぶりで、何となくほうれんそうのような外見、トリニのはサトイモの葉っぱのような感じで、長ーい茎がついている。別名として、dasheen (ダシーン)、あるいはbush(ブッシュ)などとも呼ばれている。ものの本によると、『タロ芋』ってご存じだろうか、ハワイとかフィジーで食されるイモの一種なのだが、その葉っぱなんだそうだ。インドでも食されるらしい。ほうれんそうなんかとは違い、火を通さないと食べられない。(パート2につづく)
トリニダッド、ドミニカ共和国などで食されるカラルー
葉っぱはハート型ででかい。人の顔ぐらいあるかな?
ジャマイカのカラルー。葉っぱが小さくて尖っている。