そろそろ、NYでもブルックリン・カーニバルの話題が頻繁にのぼってくる頃になりました。今年は筆者の知人でも、日本からこの時期にNYを訪れる方が何人かいらっしゃるので、LINKできればと楽しみにしています。
さて、意外に知られていないこのカーニバルの正式名称『The West Indian American Day Carnival』。主催者である、
WIADCA『ウェストインディアン・アメリカン・デイ・カーニバル協会』のホストによる公式4大イベントが以下です。
まずは前夜祭的イベントからご案内します。MachelやShurwayne, Maximusなど若手ソカ・スターが出演する金曜日、スティールバンド(スティールパンのバンド)のナンバー1を決めるコンテスト『パノラマ』が行われる土曜日、COSKELでお馴染みのDavid Rudder, Stalin, Scrunter, Baron, そしてSparrowなどの大物カリプソニアンたちが集結する日曜日と、3連発です:
9月1日(金曜):Brassfest 2006
9月2日(土曜):Panorama 2006
9月3日(日曜):Dimanche Gras 2006
どのイベントも、午後8時頃開演、午前3時頃(注意・朝の3時です)終演です。コンサート目当ての場合、早くても午後10時〜11時頃など、できるだけ遅れて行ったほうが(爆)いいと思います(特に金曜日のfete)。一方、日曜日のイベントは、アフリカン・ダンスやカーニバル・キング&クイーンのコンテストなど、伝統行事的な見所がたくさんなので、早めでもOKです。
上記3つすべて、『Brooklyn Museum Grounds 』という、
ブルックリン美術館の裏手になる空き地での開催となります。アクセスは、地下鉄・赤のライン2、3番線で『Eastern Parkway - Brooklyn Museum』駅で下車してすぐです。チケットを買うには、フライヤーにある番号に電話するか、もしくはブルックリン美術館の受付でも売っています。前売りだと、イベントによって若干変わりますが、30〜35ドルです。会場入り口での当日券もあり。その場合は+5ドルです。
9月4日(月曜)Labor Day :West Indian American Day Parade 2006
こちらはブルックリンの目抜き通り、『Eastern Parkway』で行われるパレードです。だいたい、午前10時ぐらいから、夕方4時か5時頃まで続きます。当日の明け方は、朝4時頃から早朝パレード『Jouvert (ジューべ)』が最寄りのFlatbush Avenue周辺で行われるので、そのまま昼間の本番に突入してしまう人も多いです。赤のライン、地下鉄2、3番線の『Grand Army Plaza』駅から『Franklin Avenue』駅までの間なら、大抵、どこで降りてもパレードに遭遇します。もともと、『Grand Army Plaza』という広場がパレードの終点です。逆に出発点のほうまで行くには、緑のライン4番線、『Utica Avenue』で下車します。
『ウェストインディアン(カリビアン)』なんて、一応、移民の街・NYということで他のカリブ諸国からの参加者にも配慮した名称をくっつけてはいますが、上記でご紹介した、金・土・日のレイバーデイ・ウィークエンドに行われる3つは、出演者の顔ぶれを見ていただければお分かりのように、もうバリバリに100%トリニです(爆)。かなりハードコアというか濃いものばかりですので、トリニダードはじめバーベイドス、アンティグア、グレネイダ、セントルシア、セントヴィンセント、ドミニカ(共和国じゃないほう)等の島々の出身者以外、すなわち、カリプソ/ソカを日常的に聴かない文化圏のカリビアンたち=例えばジャマイカやハイチからの人々には、全くアピールしない内容と言えます。いったい、普段この街のどこにこんな数のトリニダディアンが潜んでいたんだと毎年驚かされる(爆)、ブルックリンならではの奥深いイベントの数々です。当然、会場に出ている屋台の食べ物もウマイ!本物のトリニ飯が食べられます。特に、鮫バーガー『ベイク&シャーク』や、ハイビスカスの飲み物『sorrel』はおすすめです。
対して、週明けの最終日、メインイベントである月曜のパレードはもっと一般的です。こちらが、マスカレーダーと巨大スピーカーを搭載したトラックが練り歩く、いわゆる『カーニバル』になります。100万人単位の観光客が詰めかけ、それぞれの国のダンス音楽、例えばトリニはもちろんソカ、ジャマイカはレゲエ、ハイチならズーク、などが重低音でズンズン鳴り響く中、目抜き通り、Eastern Parkwayがカラフルな羽飾りや、ありとあらゆるカリブ諸国の国旗を手にした人々で埋め尽くされる様は、まさに圧巻のひとことです。そのあたり、トリニ本国のカーニバルとはまた雰囲気がだいぶ違うかと思いますが、NYならではのスケールの大きさで見応えがあります。ただ、日頃からバッドボーイ気質で血の気が多く、また本国ではカーニバルをやらないので慣れていないお国柄のせいなのか、ジャマイカン、ヘイシャン(ハイチ人)のトラック周辺では、マナーを無視した小競り合いや喧嘩が絶えないので、観客の方は巻き込まれないよう、十分に気をつけてください。昨年、筆者の目の前で、叩き割ったボトルで相手を殴ろうとして取り押さえられたのがいました。トリニやベイジャンのトラックについていったほうが安全です。沿道では、足の踏み場もないほど混雑する箇所もありますので、サンダルなど、素足が出る靴は危険かもしれません。スニーカーなどが無難かと思います。
その他、これら公式イベント以外にも、無数の各種パーティがブルックリンの各地で怒濤のように行われます。来週末は寝不足必至です。トリニのカーニバルと同様、体力勝負です!NYに来られる皆様、くれぐれも体調を整えてご参加くださいね!