今週の土曜日、2月17日の夜、トリニダード・カーニバルのメインイベントのひとつ、Panorama (パノラマ)2007が開催されます。スティールバンド(スティールパンのオーケストラ)の最高峰を目指して、予選を勝ち抜いてきたトリニダードの誇る有名バンドが勢揃いし、高度なテクニックを駆使した情熱的な演奏で競い合います。今や、アメリカやヨーロッパ、オーストラリア、日本など世界中で人気を博しているスティールパンですが、その発祥の地で行われるパノラマは、事実上、現時点での世界一のバンドを決める大会。その国内外での注目度は、年を追うごとに非常に高くなっています。
パノラマ決勝出場を決めた数ある有名スティールバンドの中でも、
Neal and Massy Trinidad All Stars(ニール&マッシー・トリニダッド・オールスターズ・写真下)は、スティールパン創成期から活動を開始して以来70余年という、最も古い歴史を誇る名門中の名門オーケストラとして知られていますが、今回、我々、
COSKEL UNIVERSITYが、そのオールスターズに、決勝のステージで着用するアウトフィットを提供することとなりました。トリニダードのスティールバンドが、NYのファッションブランドとコラボを行うのは、もちろん初めてのことです。
今回のプロジェクトは、先日、
COSKELのキャンペーン撮影に出演してくれたパンニスト、Dane Gulston氏との出会いがきっかけで始まりました。ガルストン氏がCOSKELのコンセプト、デザインを大いに気に入り、自身がソロイスト、リーダーとして長年活躍してきたオールスターズで、マネジャーを務めるDaryl Joseph氏を紹介してくれました。ぜひパノラマの決勝でメンバーに着せたいとのラブコールを受けて、トントン拍子に企画が決定。
準備期間が非常に短かったものの、春向けの新作Tシャツコレクションの中から、ガルストン氏が特に気に入ったデザインのものをピックアップ、少々アレンジした別注アイテムを、オールスターズのステージ用として提供することになりました。バンドメンバー、総勢175人分という大量オーダーでしたが、業者さんの多大な協力によって期日までに仕上がり、トリニダード現地に無事、到着しました。
名高いパノラマの決勝ステージで、オールスターズという一流オーケストラに作品を着用してもらえるということは、『着られるアート』を制作し、ファッションを通じてカルチャーを伝えたいというコンセプトで活動する我々COSKELにとって、この上ない名誉です。今回はむしろ、巨大なインスタレーションのようなアートプロジェクトと捉えています。我々が作品を提供しただけで終わりではなく、それを175人のパンニスト達に着て演奏してもらうことで、初めてひとつの大きな『コラボ作品』が完成すると考えています。
いよいよ今週末の本番が迫ってきましたが、当日の様子を後日お伝えできればと思います。今年は、オールスターズが本命という声が多く聞こえてきますので、本当に楽しみです。準決勝を2位で通過とのことですが、これまで通算5回の優勝経験を持つバンドですから、決勝での大躍進が大いに期待できそうです!カーニバル参加のため現地に滞在中の日本人の皆様、当日はぜひ、会場まで足をお運びいただければ嬉しいです。