写真左:伝説のカリプソニアン、Calypso Rose, Black Stalinと。
COSKEL UNIVERSITY 公式サイトには、下記文中に登場するスター達の貴重なショットが、さらに多数アップされています。是非ご覧ください。
…さて、いよいよ本日のお目当て、大御所カリプソニアンたちによる豪華競演に突入したわけであるが、その前に、バックステージの状況からレポートしてみたい。実は昨日書いた、カーニバルキング&クイーンのコンテストの間に、続々と超大物アーティストたちが到着していたのだ。
まず最初に現れたのは、カリプソの女王こと、Calypso Rose(カリプソ・ローズ)!それはまだ、辺りが夕暮れの明るさを残している時間帯の事だった。筆者は、アーティスト達の控え室代わりのトレーラーに隣接した階段に登って、少し高いところからカーニバルクイーンの衣装を夢中で激写していたところだったのだが、突然、下の方から相方のココに足をつつかれて、『おい、カリプソ・ローズがいるよ、ローズだよ!』。全然心の準備ができていなかったので、『へ?』と間抜けな返事を返した筆者であったが、視線を走らすと…おお!このちっちゃいおばあちゃんですか〜!何と可愛らしい!これがあの、伝説のカリプソ・ローズなんだっ!本来、芸能人というものにはほとんどエキサイトしない筆者ではあるが、カリプソ・ローズですよ!興奮で窒息しそうです。例えば、今をときめく50セント、ミッシー、マライアとか、カーニエ・ウェストなんかに会ったとしても、たぶん全然興奮しない自信があるけれど、今回は違います。伝説が目の前で動いています!ローズ、軽くステップを踏みながら、鼻歌なんぞ歌っておられる。可愛いっ。年長の方に失礼かもしれないが可愛いっ。
すっかり固まってしまった筆者を前に、ココがローズに話しかけたところ、気さくに写真撮影に応じてくれた。日本から来ました、あなたの大ファンです、と言ったところ、ニコニコして、"All right, all right, darlin." とってもスウィートな女性だった。そしてこんな有名な人なのに、COSKELの事を話したら、いつでも連絡ちょうだい、とご本人が直接、名刺を!くださったのだ。普通なら、『コンタクトは、マネージャーの誰々を通してね』とか何とかお高く止まっても良いレベルの人なのに。感涙である。
そして、ローズとの遭遇に興奮さめやらぬまま、ぼんやりしていると、今度はまたしても生ける伝説、カリプソ界の伝道師であり革命家、Black Stalin(ブラック・スターリン)が到着!白髪のドレッド・ヘアに、黒い肌、おっきなラスタ帽子をかぶった出で立ち。何ともスピリチュアルな、飄々とした風貌で、その迫力に圧倒されっぱなし。とりあえず話しかけて、写真を撮らせていただいた。そしてココがCOSKELのTシャツの詰め合わせギフトボックスを贈ったところ、興味深々でチェック。その時は支度があるということで、後でゆっくり見るよ、とのことだったが、快く受け取っていただくことができた。
引き続き、心臓バクバクでうろうろしていた我々、今度はスウィート・ボイスで女性ファンを悩殺する大御所シンガー、Baron(バロン)に遭遇!言うなれば、カリブ海の杉良太郎とも言えるこのお方、白のスーツにゴールドのチェーンがまぶしい、かっこいいおじさまだった。さすがはレイディース・マン、とーってもチャーミングなお人柄で、写真を撮らせていただこうとしたところ、筆者の被っていた帽子をさっと取って、自分の頭に載せ、『どう?似合うかな?』…お茶目さんである!そのままパチリ。その後も、気さくに話しかけてくださったりと、やはり格のある人は違うのう、とひとり納得。後になって、せっかくのチャンス、もっと話せばよかったな〜とお決まりの後悔。
さらに、今度は誰かとドキドキしながら待っていると、Scrunter(スクランター)がやって来た!ユーモアたっぷりに、ちょっときわどい内容の曲を実に楽しく聴かせてくれる名シンガーだ。サービス精神あふれるパフォーマンスに究極の芸人魂を感じさせる、生粋のエンターティナーである。ココが『Scrunterが来てるぞ、話かけてみなよ』としきりに促すのだが、当のご本人はたくさんの人に囲まれていて、どうにもきっかけが掴めず。仕方なくうろうろしていたところ、ふと見ると何と!先ほどCOSKELボックスを手渡した、Black Stalinが筆者を手招きしている!えっ、あ、あっしですかい?と、及び腰になる筆者。あのStalinがじきじきにお声がけくださっています!右手と右足が同時に出る感じでコチコチになりながら馳せ参じると、満面の笑顔でがっちりと握手してくださった。ううっ、感動。手があったかいです〜。筆者が、自分の着ているLord Kitchener のコラージュタンクトップを見せて、『私、超のつくカリプソ・ファンで、あなたのTシャツも作りたいんです』と思いの丈をぶつけたところ、なるほどと、面白そうに頷くStalin。そして、周りの仲間を紹介してくれた後、さらに、『Scrunterの事は知ってるかな?』と、数メートル離れたところにいた彼を呼び寄せてくれたのだ!
帽子&スーツと、全身白で小粋に決めたScrunter、イカしたやさぐれオヤジ(笑)といった雰囲気である。Stalinが筆者を指して、『このレディに、アンタの事知っているかい?って聞いたら、"Trombone"って言ってたよ!』とニッコリ、Scrunterも大ウケして、快く記念撮影に応じてくれた。ちなみに、"Trombone"とは、彼の大ヒット曲のタイトル(何を意味するかは……よく、サクソフォンとか、カリプソの歌詞では金管楽器に例えられる、blowされるモノの事である…)。さすがは一流の芸人、撮影時にも『写真、必ずキミの枕元に飾ってくれよ〜』などと、ジョークが絶えない。そんな彼にもCOSKELボックスを差し上げた。Lord Kitchenerがとても好きらしいと聞いていたので、KitchのTシャツを入れておいたのだが、喜んでくれていた。
立て続けに、斯様に個性的な凄いメンツと会ってしまい、もう大満足でかなりお腹いっぱいになってきていたのだが、いや、肝心のあの人がまだ登場していないではないか!そう、トリニダッドのボブ・マーリー、カリプソの救世主であり預言者、David Micheal Rudder氏である。今か今かと待ち受けていたところ、ついに、背の高いお姿がふらりと視界に入った!Rudder氏、控え室に入ろうとしたところで、ココを見つけ、『あ!ブルックリン・カレッジの時のTシャツの!君だったよね!』と、自ら話しかけてくれた。彼ほどの大スターなら、毎日、星の数ほどの人間に会うだろうに、一目で思い出してくれたのだ。COSKELクルー、大感激。早速、彼本人をデザインした新作のコラージュT、人気のPRAA T、Kitchのトリニ・カラーのコラージュT(以上、詳しくはCOSKELのサイト、COLLECTIONのページをご参照ください)などを詰め合わせたギフトボックスを献上した。ありがとう!と言って、控え室へと消えていったRudder氏、少しして再び外に出てくると、『ちょっと開けてみたんだけど、いいね!いいね!』と、子供のようにはしゃいで喜んでくれた。その姿が何ともピュアで可愛らしかった。あの大スターがこんなに喜んでくれるとは…それまでの苦労が一気に報われた感があった。
他の、イイ味醸し出しているカリプソニアン達とは一線を画す感じの、真摯で崇高な印象のRudder氏。ひとり静かに、遠くを見つめながら自分の出番に備えていた。前述のStalinやScrunterが、酔いどれ系というか、何となくいつもハイになってるっぽい(笑)様子で、若い時はかなりのワル(Bad John)だったんだろーな〜という、例えるなら、ストーンズのミック・ジャガーとかキース・リチャーズみたいな、ザ・不良オヤジという雰囲気なのとは全く違う。そんな、一見近づきがたい感じのする、哲学者のようなRudder氏に筆者、勇気を振り絞って話し掛けてみたところ、気さくに笑顔で応じてくれた。その受け答えの様子も、飾り気がみじんもなく、非常に真面目な感じのする方で、『君たちの活動、気に入ってるよ、がんばって』と応援のコメントをくださった。
これで思い残すことなく(笑)心ゆくまで、これから始まる夢のカリプソ・コンサートを楽しめるというものである。
〜次回へ続く〜