お待たせしました!8月5日に行われた、COSKEL UNIVERSITY初の本格的ランウェイ・ファッションショーの模様を収めた写真の数々を
公式サイトの写真ギャラリーにアップしました。今回はスライドショー形式です。音楽と合わせてお楽しみください。曲は今夏のCOSKELのテーマソング、Machel feat. Black Stalinの"Blazin (Love Fire)"です。ファイルが大きめなので、ダウンロードに少々、実質3分ぐらいを要しますが、どうかご辛抱を。スライドショー自体は8分間ちょっとの長さです。閲覧にはQuickTimeのプラグインが必要です。Macをお使いの方の場合、もともとデフォルトでインストールされていると思いますが、Winユーザーでお持ちでない方は、Appleのサイトから
無料ダウンロードできます(弊社サイトのページからもダウンロード先にリンクされています)。
今回、撮影を担当してくださったのは、ワシントンDCで、ドキュメント映画制作プロダクション
『TAIGA GLOBAL』を運営、ブログ
『ROUTE 295』を発信されているMaikoさん。臨場感溢れるベストショットをたくさん撮ってくださいました(遠くからお越しいただいたにも関わらず、すっかりお世話になってしまいました。お会いできてとても嬉しかったです。本当にありがとうございました!)。
えー、遅ればせながら、ショーそのものについてのレポートと行きたいところなのですが…筆者、デザイナーという立場上、モデルのスタイリングでバックステージにかかりきりだったもので、後からスタッフやお客様からステージの様子を聞いて知ったわけでして。おかげさまで、総合して『Great!』『Very nice!』といった形容から、『早速何着も欲しくなった』『あんなに新作をたくさん一体いつ用意したのか(爆)』『今までにない新しい形式で楽しかった』『ファッションショーに留まらずカルチャーイベントという感覚で奥が深かった』といったコメントまで、お褒めの言葉をたくさんの方からいただいています。ショーの直後、ヘロヘロになりつつ表に出ていったところ、何人ものゴージャスな観客の方々から握手をお求めいただきました。いやー、何はともあれ、お洒落好きの皆様を失望させなかったようで、デザイナーとしてはとにかくほっとしました。ショー前の最後の2日間、死ぬ気で準備した甲斐がありました…ほんとに。
聞くところによれば、会場の規模に合わせ、可能な限りの数である70席を用意したところ、立見が出たそうで(!)、初めての有料チケット制でのショーでしたが、延べ80人以上もの方がいらしてくださったことになります。去年は2、30人ぐらいでしたから、いきなり3倍近い規模になったわけです。しかも特筆すべきなのは、実際のところ、来場したトリニダード人は数えるほどで、観客のほとんどがトリニでないカリビアンやアメリカ人、日本人の方だったこと。よって、皆様控えめというか、おとなしい印象の客席でしたが、これは実は、ビジネスマーケティング的には非常に重要かつ喜ぶべき要素で、『トリニのイベントだから、ソカがかかるから来た』という言わば内輪受けに留まらず、『COSKELに関心がある、もしくはお洒落にうるさい』方々にわざわざお運びいただけたということで、それだけ我々自身の作品、活動への評価が高く、『COSKELだから』来ていただけたと解釈できるわけなのです。SOHO地区での開催という場所選びも、この点で成功しました。これまで、トリニのイベントというと、残念ながらフライヤーのデザインから会場選びまで、何ともいえず『ゲトー』で品がなく、時代遅れなローカル臭漂う雰囲気に陥りがち。折角、プレゼンの仕方によってはいくらでも大化けが可能な魅力的なコンテンツなのに、全然その良さを活かしきっておらず、非常にもったいないと、常々相方と言い合っていたのですが…今回、その流れを我々が変えられるという確信を得ました。
我が相方コラーニ氏は、筆者とは逆に客席側から総監督として見ていて、曰く、ファッションショー自体もまあ及第点(彼奴は元来、辛口な漢であります)で成功と言えるけれど、やっぱりアーティスト達のカリプソ/ソカのパフォーマンス、特にオープニングの演出が格段に良かったとのこと。今をときめくスーパープロデューサー&ミュージシャンのShawn "da Ma$tamind"と、我々COSKELが誇る世紀の逸材Orion君のコンビによる、カリプソのエクステンポ(即興で歌うスタイル)で幕開けしたのですが、このコンビがまた素晴らしかったのです。こう、何とも言えない円熟味があって、いや、まだかなり若い二人なんですが、やはり血に流れる伝統なんでしょうか…恐るべき才能です。オールドスクールなトリニ音楽へのリスペクト精神漲るパフォーマンスで、まさにCOSKELのコンセプトである『ヴィンテージ・カリビアン』を体現してくれました。
その後は、既にサイトで公開していたアイテムの、ショー用に制作した別バージョンを中心としたコレクションから、完全に初公開の新作 (最後の36時間で仕上げ・爆)へとシフトしつつ服を見せていき、合間に厳選されたアーティストたちのパフォーマンスを挿みながら進行しました。まずはDeliaが軽やかな一曲を披露、会場を温めました。次にはTrinityがR&B調のスムースな一曲を披露して快調に盛り上げます。ただ、ここでアクシデントが発生。照明業者の配線ミスが原因で、ブレーカーが下りて会場の電源が落ちるという事件が。これまでの流れが立ち切られてしまって何となく間が持たなくなり、スタッフ一同に焦りが広がりました。が、しかし、この窮地を救ったのが、またもやShawnとOrionの名コンビ。おもむろにステージに登場すると、その場の即興で味わい深いエクステンポをまたまた披露。客席を大いに沸かせました。もちろん、これは台本にもリハーサルにもなかった演出。文字どおりの面目躍如で素晴らしい仕切りを見せてくれました!相方は、実にスマートにこのピンチを救ってくれた、彼等の気の効いた機転と熱い心意気とに思わず涙したそう。ほんとにDey save de showでした。そしてまた服をしばらく披露したあとで、今度はValが登場。男性モデルとの絡みもセクシーかつ微笑ましく、トリニギャルらしいタフなパフォーマンスを見せてくれました。続いて今回のアーティストでは人気ナンバー1、Kevonのステージ。スウィートな歌とマスクに、会場ではうっとりとする女子&ゲイ男子続出…。そしてトリを務めたのは、我らがOrion君。他のアーティストのパフォーマンスでは、DJがレコードをスピンしてバック演奏の代わりとしたのだけれども、美声の持ち主であるOrionは自らDJのプレイにストップの指示を出し、なんとアカペラで歌い出しました。今回の出演者中、屈指のエンターテイナーとして、昨今の若いアーティストにはない根性、言わばカリプソニアン魂の片鱗を見せてくれた彼。ステージでは、小柄な体が一際大きく見えました。そして、そこにギターを持って反射的に駆け付けたのが、やっぱりShawn。またしても奇跡のコンビネーションによるアンプラグド・ライブが実現!会場をすっかり魅了しました。それにしても今回のステージは、ShawnとOrionに始まり、また終わりました。彼等なしではありえなかった!本当に大感謝です。
さて、服のほうでの今回のハイライトは、COSKELから登場した新ラインである『SUNDAY BESS』の披露。この『サンデイ・ベス』の『ベス』とはトリニ語でBESTの意。すなわち、『日曜日に着る一張羅』転じて『最もお気に入りの服』という意味です。本体であるCOSKELよりもさらにお洒落着的でヴィンテージ感覚を強調したデザインが特徴で、ディテールに凝りに凝った一点もののジャケット、ドレスシャツ、ポロシャツ、スウェットや新素材のTシャツなどのアイテムが中心です。英国調のクラシックな新ロゴマークも制作しました。おかげさまで、『SUNDAY BESS』、初登場ながら多くの問い合わせをいただき、只今人気急上昇中です。
そしてCOSKELのほうでは、目玉として『Ole Mas Collection』をスタート。OLE=トリニ語でオールド、MASはマスカレード、仮装。すなわち、伝統的なカーニバルの扮装をモチーフにしたシリーズです。今回は『FANCY SAYLOR』、『BURROKEET』、『BLUE DAVIL』を取り上げてみましたが、どれにもすでに予約殺到で、誰が一番に街で着るかで争奪戦となっています(爆)。その他にも、人気の『BEAT PAN』とはまた違ったアプローチでスティールパンへの愛を表現したコラージュTや、カリプソ・ローズに捧げる王冠つき『カリプソの女王』Tシャツ、マイティ・スパロウと彼の出身地グレナダをテーマにしたもの、そして大御所SHADOWのヒット曲の歌詞に着想を得たものなどなど、各カリプソニアンをフィーチャーした作品、はたまた、ブルックリンのカーニバルのパレードをモチーフにしたデザインなどなど、話題沸騰のアイテムが揃い踏みです。今回のCOSKELでもいつも通り、筆者の手によるイラストレーションを旧作、描き下ろし共にモチーフとして多用しています。また、ついに実物として披露することができた、あの『Scaret Ibis』タンク(ご予約の皆様、ようやくです。お待たせしました)や、ハチドリとハイビスカスをあしらったタンク、マンゴーの実をデザインしたTシャツなど、カリプソやカーニバル関連以外のモチーフとして初登場した、トリニの南国ならではの自然をテーマにしたネイチャー・シリーズも充実です。
それから、忘れてはならないのは、会場のお客さまはもちろん、実際に着用したモデルたち、スタッフの間からも感嘆の声が上がった素晴らしいジーンズのコレクション。ゲストとして参加してくださった東京発ブランド、
glimm jeanによるハイクオリティな製品群です。生地はもちろん、縫製やパターン、また、ベルト通しやポケット、ステッチ、刺繍といったディテールまで、選び抜かれた素材とデザインで丁寧に仕上げられた実に贅沢なジーンズの数々。いずれも最高級品です。一目で、米国製とは違う繊細な遊び心を見てとることができます。今回登場したジーンズの一部には、COSKELがカスタマイズしたものも含まれており、今後、COSKELのジーンズラインの開発などにご協力をいただき、さまざまに積極的なコラボを行っていく予定です。東京でこの秋行われるショーには、今度はCOSKELが客演させていただくことになっています。glimm jean ディレクターの青木雅嗣さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それにしても、バックステージで見守っていた筆者として特に嬉しかったのは、出演してくれたモデルの皆が、『楽しかった!また出たい!』と口々に喜んでくれたこと。慌ただしく暑苦しいバックステージでも、皆文句ひとつ言わずとても協力的で、クールで整った容姿からは想像できないほど、気取らずスウィートなボーイズ&ガールズばかり。実に堂々としたステージングで大活躍してくれました。どんな良い服であろうとも、見せ方次第、着こなし次第で評価は全く変わってしまうもの。豊かな表現力と個性を100パーセント発揮してくれた、モデルひとりひとりのおかげで良いプレゼンテーションができました。
また今回、手伝ってくれたスタッフ一同&出演アーティストにノベルティとして配られたのが『I am COSKEL』のスローガンTシャツ。これがまたバッチリ決まりました!皆がそれぞれ、スタイリッシュに着こなしてくれた姿は圧巻でした。もちろん非売品として作ったものでしたが、予想外の人気となっていまして、ひょっとしたら商品化の可能性もありです。彼等も皆、今回のショーに携わることができて本当に光栄だった、楽しかったと言ってくれました。あらためて、『チームCOSKEL』の結束の固さ、パワーを実感できました!みんな、本当にありがとう!!