R&Bシンガーとしてはもちろん、プロデューサー、ソングライター、トラックメイカーとして類い稀な才能を発揮、アメリカだけでなく全世界でブレイク中のAkon(エイコン)ですが、その彼が2ndアルバムからの最新ヒット、『Don't Matter』でなんとカリプソを取り入れています。イイ感じです。TVをつけっぱなしにしていて、突然流れてきたときはちょっと驚きました。
Don't Matter - Akon (YouTubeビデオ)
3分10秒前後で、あのまぎれもないダンサブルなビートが聞こえてきます。
ただ、出演者が皆アメリカ人だからなのか、あるいは演出のせいなのか、ヴィデオの中で誰もビートにちゃんとついていけてないというか踊れていないところが(爆)興味深いと言えば興味深いです(その部分だけ音と映像がリンクしていない気がするので、あとから別々に編集したせいだと思いたいですが)。
小ネタではありますが、アメリカのメジャー音楽シーンでカリプソを耳にするとは思っていなかったので、ちょっと嬉しいですね。ポップスターのグウェン・ステファニの曲に客演したり、エミネムと組んでお尻ソング(爆)を出したりと振り幅の広いエイコンですが、彼はとても音楽的センスのある人で、ご存じのようにアフリカはセネガル出身、英語、フランス語にウォロフ語を話す国際派でもあります。父親は西アフリカの太鼓、ジュンベの名手のジャズミュージシャンで、エイコン自身もかなりの叩き手らしく、アフリカン・ドラムから音楽の道に入り、次第にヒップホップやR&Bに目覚めていったそう。そういったルーツからして、おなじ西アフリカの影響を深く受けているカリプソに興味を示していたとしても、何ら不自然ではありません。
1stアルバムからのシングル、
Guetto(ゲトー=黒人居住区ばかりではないアメリカの現実に注目)に心を打たれて以来、注目しているアーティストですが、なかなかの苦労人(車狙いの強盗、麻薬取引の罪で入獄経験あり)なので、アフリカ移民の星として、ますます頑張ってほしいなと思います。アメリカ人の解釈とは一味違った斬新なサウンドで、今の終わってるヒップホップ、R&B界に新風を吹き込んでくれることを期待します。