ローンチングを終えた順にご紹介していこうと思っていましたが…例年にもまして『異常』な人気のTRIBEでは、たぶん、明日、明後日にも衣装が完売してしまいそうな予感ですので、先に取り上げようかと思います。
あまりの人気に、コスチュームの優先予約用メンバーズカード『TLC』なるものを、過去数年間に渡って参加してきたTRIBEマスカレーダーに限定で発行していることは皆様、すでにご存じかと思いますが、この発行数が、一説には6000枚とも言われています。実際にカーニバルに参加するのがそのうちの3000人〜5000人として、16のセクションを展開し、各セクションの定員が200~300名で、それぞれの参加者が最低でも500米ドル(約5万5000円)を払うと考えると…いやはや、すごいビジネスですよね!? 他のマスバンドとは桁違いの潤いっぷりです。
TLCカード保持者だけでそれだけの人数がいて、彼等から順にレジストレーションを行っていくので、もはや、『一見さんお断り』システムが確立しており、すぐに申込数が定員に達してしまうため、初参加を考えている人には、まずチャンスがないという現状となっています。
レジストレーションでは、前金として全額の3分の1〜半額を支払うので、とりあえず、カーニバルには行けるかどうかわからんけど、衣装だけは確保しておきたいというマスカレーダーもいますので、それで完売傾向が加速するということもあります。で、実際に行けなかった場合、そういった人たちがネットで売りに出すわけで、初参加を希望する人は、それを狙っていくという構図も出来つつあります。
ではなぜ、TRIBEが『宗教的』とも揶揄されるほど、そこまでの人気を誇るのか?ということなんですが、まずはコスチュームのデザイン、品質で、毎年ハズレなしとされていること、それから、オールインクルーシヴバンドとして、食事やセキュリティ、ホスピタリティ等の点で高く評価されていて、安心してパレードに参加できるということが大きいでしょう。これは特に、現地に不慣れな外国からの参加者には人気の点です。
さらに、料金を見れば一目瞭然ですが、ハイソな人々しか参加できないバンドということで、参加できた事自体がステイタスということもあります。マスカレーダー達の間で、『来年はマスはどちらで?』『おほほ、TRIBEに決まってるざますよ。おたくは?』という会話が成り立つわけですね(爆)。
また、業界髄一の情報量を誇る人気カーニバルブログを主宰するカリスマブロガーさん(トリニダード人女性)が、熱狂的なTRIBEファンということで、その方を中心に、ネットで祭り状態になっていることもだいぶ大きいようです。トップクラスの人気を誇るバンドということで、マスコミに取り上げられる事も多く、カーニバル当日も当然、多くの注目を集めますので、新聞やTV、雑誌、ニュースサイトなどに取材される機会も他のバンドより格段に多いので、目立ちたがりの人にももってこいというわけですね。
そしてついには、今年がたぶん初めてだと思うのですが、今週末のレジストレーションに備えて、2日前から会場前にて徹夜組が出現しているとの噂も。ちょっと前、iPhoneを買うのに日本でもそういう行列が出来たことは記憶に新しいですが、それと同じ状況が、カーニバルのコスチュームを買うために出来ている?らしいです。個人的には、いくらなんでも引きました…トリニダード人って、少なくとも筆者の知る限りは、そういう人たちじゃなかったんですけれども…なんか、いいように煽られてるだけって気もしますね。まあ他国の文化に関して、とやかく言うつもりはないのですが…さすがにちょっと異常な気がします。
(↑上記の行列の件、ネタか釣りであってくれと願っていたら、TRIBEファンによる祭りの一環としての自虐ギャグだったらしく一安心。…やれやれだぜ)
さて、肝心のコスチュームですが、今年のTRIBEでは、特にフロントラインとバックラインの出来の差が激しいと言われ、ブーイングも起こっています。確かに、フロントラインに関しては贅を尽くしたという印象です。価格的には余裕で8万〜10万円ちょいという大変高額なものですが、TRIBEに関してはそれもすぐ売り切れるだろうという計算が働いているので、バンド側もかなり強気の姿勢でフロントラインをPRしていますね。ローンチングでスポットが当たったのも、フロントラインの衣装ばかりでした。今年はTRIBEに限らず、どこのバンドでも争うようにしてフロントラインの制作に総力を注入している印象です。
一見して思ったのは、『素材の質と量』が一気にグレードアップしたな、という事です。デザイン的にも、従来と比べてかなりクリエイティブになってきています。ブラやベルトの形状&材質の工夫、ヘッドピースのデザイン、ジュエリーモチーフづかい、露出度の高さなどの点で、これまでのTRIBEの、どちらかといえばベーシック&コンサバ気味だったデザインを打破したものが多く見られます(一部のセクションに関しては、従来と変わらないタイプのデザインもまだ残っています)。
個人的には、ライバルのIsland People Masをかなり意識しているなと感じました。まあ、IPの元ネタは、かなりの確率でブラジルのカーニバルなので(コスチュームデザインでは、やはりブラジルが最先端を行っています)、TRIBEでも今回、かなりブラジル化が進んだといえるのではないでしょうか。こうなってくると、来週末行われる、IPのローンチがますます楽しみです。
今回は、『Birds of a Feather』と題し、熱帯に住む貴重な鳥たちをモチーフにしたプレゼンテーションを行いました。鳥がモチーフなだけあって、羽、羽、羽!!のてんこもり、特にフロントラインでは頭、肩、背中、手足とそこら中が羽だらけで、優雅でゴージャス、スケールの大きいコスチュームが揃っています。
ジャングルに住む鳥たちを表現したということで、色使いもカラフルですが、安っぽくならずよくまとまっており、例年よりセンスを感じさせるものとなっています。また、ヘッドピースのデザインも秀逸で、かなりのボリュームがあって迫力満点です。鳥の目玉やくちばしをさりげなくあしらっており、リアルに気持ち悪過くならず(笑)エレガントなものになっています。
以下、そんなスペクタキュラーなフロントラインを数点、ピックアップしてみました:
(クリックで拡大します)
フロントラインよりだいぶ地味になるということで、不評を買っているバックラインのコスチュームですが、なかなかどうして、ゴージャスさが減った分、逆に『小鳥さん』度がUPして、キュートにまとまっていると思います。このあたりのコスチュームは即完売となりそうです。ただし、バックラインとは言え、どれも5万円以上は当たり前、かなり高額です:
写真は全て、
TRIBE公式サイトより。オンラインレジストレーションはまだ始まっていませんが、各コスチュームの詳細な写真がたくさん見られます。参加はできなくても、美しいので目の保養にぜひ(笑)。
個人的には、かなりあからさまに、モデルの肌質や胸など、Photoshopで修正しまくっている写真(爆)が多いのが気になりますが…もう少しナチュラルな細工もできたんではと、自分自身、フォトショ使いとして思いましたですね〜。