
この日本発のアニメーション映画は、今まで見た中で最高の映画のうちの一つといえるだろう。
『イノセンス』が、来週、DVDになって発売されると聞いた。今春、映画館で見ることができたのだが、公開時に日本に居合わせてラッキーだった。どうしても見たかったのだ。自分もだが、ビジュアル・アートに携わる人間ならば特に、絶対見るべきだとお薦めしたい。とにかくぶっ飛んだ。鳥肌が立つほどのクオリティであった。一絵描きとして、いろいろ学ぶべき点も多かった。
とにかくキャラクター設定がいい。すごく人間味にあふれていて魅力的だ。特に重要キャラの、バセット・ハウンド犬がもう最高。脚本も素晴らしい。もちろん、最大の見せ場である視覚効果はスゴイの一言。もし、アニメ映画は子供向けかオタク向けと思っているのなら、とんでもない誤解だ。私としては、普通のオトナにこそ見てほしい。(ご存じの方も多いだろうが、今年のカンヌ映画祭に正式招待された作品である。しかもアニメ枠でなく、実写と肩を並べたわけで、それだけでもこの映画のクオリティは想像がつくことと思う。) このような世界的に見てトップレベルの映画が、日本のクリエーターによって制作されたことをすごく誇りに思う。

『イノセンス』は、
『マトリックス』シリーズの監督兄弟に崇拝されていることで知られるアニメーション監督、押井 守氏の作品で、士郎正宗氏の人気コミックに基づいて制作された(厳密には、原作ではない)。『Ghost in the Shell: 甲殻機動隊』の続編だ。私は『甲殻機動隊』を、パーソンズの2年生のとき学校の授業で見せられたのだが、その究極の映像美にヤラレてしまった。なので、続編が出ると聞いたときはかなり期待したものだ。続編の物語だが、前作に引き続き人間とアンドロイドが共存する、近未来の社会が舞台である。ストーリーはかなり複雑で、時に哲学的でさえあるが、アクションもふんだんで、映画として非常に楽しめる。この映画のせいで、私はウィル・スミス主演の『アイ・ロボット』を見る気になれなかった。同様のテーマの作品だが、『イノセンス』のぶっちぎりの勝ちと判断したのだ。
しかし、今回、DVDを入手すべきか迷っている。愛機PowerBookG4はアメリカ仕様なので、にっくきリージョンコードの問題が絡んでくるのだ。この、リージョンコード、全く馬鹿げた仕組みだと思う。ハリウッド製映画の流出を守るための策とか何とか聞いたが。とにかく、私のコンピュータでは、日本産のDVDディスクは再生できないのだ。リージョンコードを変えれば、もちろん見る事はできる。が、クセモノなのは、なんと都合4回しか変更できないことになっているのだ。ムカつくな〜本当。
とりあえず、アメリカ版が出るまで待とうかなと思う。そうしたらココも一緒に見れるだろうし(字幕ありor吹き替えで)。
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